語り部、ノムさん
Column

語り部、ノムさん

第6号

外食業の「カイゼン」が始まる

これまでタイムプリズムのユーザーは主に製造業と大学等の教育機関ですが、最近の傾向として食品製造や外食産業からの問い合わせが増加してきました。 近年では食の安全性が取りざたされています。それももちろん重要ですが同時に低コスト競争が一段と増してきたと感じます。
ファミリーレストランやコンビニエンスストア、大手外食チェーンなどは価格の安いメニューや商品・均一価格の取り揃えなどが一般化してきております。
消費者の立場に立って考えるとどちらも大切なことですが、最近のデータによるとサラリーマンの昼食に掛ける経費は一食当たり2008年には500円台でしたが2010年には300円台まで落ちていきているということです。
外食チェーン店の売価はそれに合わせて300円以下のメニューが主力品となっている現状では作る側も原価の低減をせざるを得なくなりました。食肉や野菜など加工・洗浄など生産工場での内製化とともにIEの考え方を取り入れた作業効率・改善に向けて着手することで製造コストの低減を行うようになってきたようです。
さらに店舗内では、人件費がコストの大半を占めていますので人的作業の標準化をすることによる作業効率の効果は抜群にあると言えるでしょう。 概ね店舗での人員配置ですが、朝食・昼食・夕食の時間帯に何人配置するか、そして店員の一人ひとりがどの役割分担を担うか、またシステム上業務の種別がどれくらいあるかなどによって変わってきます。
たとえば、メニューの数・食材の加工の有無・食品数・レジでの作業(後払いか・食券など先払いか)・店舗の広さや席数、厨房と席との距離、セルフで行うのか否かなどです。 これらは非常に判断に迷うことですが売り上げアップのために面積を広くする見返りは往復歩行時間が増え、清掃・客管理に要する時間が掛ることになります。また、メニューや食材を簡素化すると客に飽きられ、逆に増やしすぎると時間単価が上がることになります。
売り上げに対する最適な店舗の環境はマーケティング調査によるものとそれらに応じた作業改善が相乗効果となって初めて現れてくるものと思われます。 製造業も外食産業も与えられた時間を如何に有効に使うかによって利益を得られる分かれ目となることは同じようですね。 作業分析ソフト「Time Prism」による映像を使った「見える化」によって、これら一見難しい「カイゼン」も意外と簡単にできるものです。 食品製造や外食産業でも、製造業で培われた作業改善の手法を「Time Prism」で是非一度試してみてください。