語り部、ノムさん
Column

語り部、ノムさん

第20号

甘いルールの結末

改正道路交通法の施行により、令和5年4月1日から自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化になった。*さらに令和8年4月から罰則(交通反則)制度が始まる。
自転車の交通事故死者数(令和3年)
・ 高齢者の割合は約7割と高く、増加傾向。法令違反別では、高齢者と高齢者以外とで顕著な差はなく、7~8割に法令違反がある
・ 自転車乗用中の死者の約6割は頭部を損傷しているが、死傷者のうちヘルメット非着用者率は、全体としては未だ約9割を占めている。

また、放置自転車数ワーストの名古屋市。大阪市内の放置自転車を調査している阪南大学の松村嘉久さんが、大阪の事例から、名古屋が学ぶべきことを教えてくれました。
国土交通省のデータによると、放置自転車ワースト10のうち(久屋大通、上前津、栄、高岳、丸の内、矢場町)名古屋市が6駅を占めた。
「場所がわからない。場所がわからないと、止めに行きようがないですし、有料の駐輪場を月ぎめでやっている場合などは手続が面倒です。簡単にとめられればいいですが、そうではないので結局停めないという人も多いです。有料の駐輪場を作ると同時に、そこにどうやって自転車に乗ってきた人を誘導するかというのがとても大事です。」

「名古屋の都心部もビジターが多いですよね。出張で来た方などいろいろな人が自転車に乗るので、地域に詳しくない人もいらっしゃるのでそういう人もなかなかわかりづらいと思います。丁寧に有料駐輪場の場所と使い方を知らせることが必要だと思います。

名古屋市内では普段、目にする自転車や自動車の駐車場所だが、車道や歩道の幅が広いため、夜間や祝祭日は駐車禁止エリアが解除されている。他の大都市に行ってもこれだけ大々的に緩いルールは無いと思う。
自転車が関係する交通事故が多発して、突然、駐車禁止と言われてもなかなか素直に従う人もいないというのが本音ではないだろうか。
しかし、ヘルメットも駐車禁止も法令違反も、結局は本人が損をするということ。
作業現場での甘いルールも同じこと、ケガ、事故、作業の非効率は、会社に損失を与え、結果的に本人が不利益を被るということだ。
甘いルールに慣らされた人々が急に締め付けを求められても、厳しいルールに馴染むまで時間が掛かるのは、公道も作業現場も同じことなのです。